月天使
プレゼント
【月side】
あたしは警察にパイプ椅子に座らせられて
話を詳しく話すこととなった。
「えと…君がおじさんに
怖い思いさせたってのは本当かい!?」
あぁ…出た。あれね、あのオヤジね…。
「いいえ、それは逆ですよ。包丁で首を刺されそうになって怖い思いをしたのは俺の方です。」
警察の人はそう言うあたしの方を見て
ニコッと笑った。
「なるほど~!ちょっと彼、連れてきて。」
とあたしの目の前にいる警察の人は
もう一人の警察官を呼んだ。
そして、その警察の人が連れてきたのは…
「何だよ…返してくれよ!」
「あっ…オヤジ!!」
オヤジがあたしの目の前のパイプ椅子に座った。
「ちくしょう!どうしてくれんだよ!!
俺、ぜってぇ学校間に合わねーじゃねーか!!」
あたしはパイプ椅子から立ち上がった。
そんなあたしの顔を見てオヤジが慌て出した。
「うわぁぁ!化けもんだい!!ぎぃやぁぁ!!」
「こらこらっ!!落ち着きなさい。」
警察の人がオヤジとあたしを止める。
落ち着いてられっかよ…。
このオヤジ、マジでシバいていい!?
あぁ…家帰りてぇよ…。
「あんたら警察なら、とりあえずこのオヤジ逮捕して?俺を人質に取って何かしようとたくらんでたみたいだから」
あたしは怠くなって、そのまま帰ろうとした。
だけど、
「ちょっと待てぃ!!このクソガキ!
俺に見せた本当の姿を見せてみろぃ!!」
「んっ…?あっコレ!?」
あたしは全てを誤魔化すために、手に持ってた
ビニール袋からコンビニで買ったばかりの
チョコを取り出した。