月天使

「いやいや…あのでっかいやつ!!」


「あぁ!!オヤジはでかいのが好きなの?ハイ。」


あたしはファミリーパックの

チョコをオヤジにつきだした。


「え…?」


オヤジは目を点にしていた。


「えっ!!だって、でかいのって言ったじゃん?」


ファミリーパックのチョコを

オヤジの顔の前で揺すってみた。


あらら…。反応なし。

オヤジ、すっかり固まってる(笑)


「あっ…あのぉ~やっぱりあなたの見間違え
じゃありませんか!?あなた、酔っ払ってるし…」


警察の人の目が変わってきた。

何かオヤジを侮辱するような目に…。


「アホ言うな!!あのガキは化けもんなんだぞ!!
俺はすっげー怖い思いしたってんだよ!」


オヤジは一生懸命あたしの事を訴え続ける。

なんか笑えるな…。


「あの…俺、帰って良いですか?変なのは、オヤジの方だし…。」


あたしは又、パイプイスから立ち上がって

警察の人に目をあわせる。


するとオヤジもしつこく、


「はぁ!?なんやと!!このガキ!!」


と暴れだすのだが、


「はい。分かりました。望月くんありがとう。もう帰っていいよ。」


と警察二人にオヤジは取り押さえられていた。
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