LOVE PRINCESS(陽呂&心菜)
「予約の時間過ぎちゃうじゃない!
あの先生人気あるから、待ち時間半端ないんだよ?」
心菜の小言を言う回数が増えた今日この頃。
今日は検診日。
いつもなら会社に向かう車が、今日は産婦人科に向かう。
到着した産婦人科は、いつ見てもホテルなみの綺麗さだ。
待合室に並ぶ有名なデザイナーが手がけたとかいう豪華なソファ。
白を基調とした明るい壁紙。
耳に残るか残らないかの音量で聞こえてくるクラシック。
本当に産婦人科かよっ?
てか病院なのかよ!?
「おはようございます、川合さん。
あら、今日はご主人様もご一緒なんですね♪」
受付から優しい声で微笑まれ『はい』なんて、ついつい笑顔を零した俺に冷たい視線を送るのは心菜。
そんな心菜ににっこり微笑んでみるものの、サラッと俺の笑顔を無視して、空いてるソファへと進んで行ってしまった。
その後に続き、心菜の座ったソファに近い場所の壁にもたれ掛かる。
「陽呂。今日、空いてるから座れば?」
そう言われ大人しく心菜の隣に座る。