LOVE PRINCESS(陽呂&心菜)
「川合さーん、どうぞ」
名前を呼ばれ、入った診察室。
中に居た先生の白衣の姿見て、
やっとここは病院だ!
そう納得出来た気がした。
そしてどんどん進む診察に、はしで見てるだけ。
初めてここの産婦人科に来た時は心菜もオドオドしてたのに、今じゃ指示されると同時に動いている。
なんか女って、すげーな。
そして、ついに来た!
エコーだ。
実は今日来たのには理由があった。
いつも心菜が持って帰って来る写真。
ここが頭で、これが目。そんな説明を愛しそうにする心菜と、それを見る俺には温度差があった。
だって、説明されても全くわかんねー!
あれを目だとか、口だとか、どう見れば理解出来るんだ!
だから俺だって、この目で見て理解したい。
初、生エコーだ!
映し出される映像の感想は……微妙。
だって実際見ても、言われなきゃどっちが頭だとか、手だとかサッパリだし。
『あ、今、手をパーしましたね』なんて先生の言葉で、笑い合える心菜を尊敬さえする。
パー……したか?
あ、したかな?
「川合さん、性別知りたいですか?」
エコーをまじまじと見つめながら考える俺にかけられた声に、心菜の顔を見た。
「もう、わかるんですか?」
「わかりますよー」
「はっ、はい! 聞きます!」
予想していなかった事に興奮してしまった俺は、デカイ声を出してしまう。
驚いた顔をして俺を見つめる皆に『急にすんません』って頭をかきながら言うと、
「もーう、興奮しすぎ……」
ベットで横になってる心菜は呆れ顔。