LOVE PRINCESS(陽呂&心菜)
にっこり笑った先生が指しながら
「ココ。わかりますか?」
近づいて見ても、首を傾げて見ても、目まで細めて見ても……
サッパリわからん。
「真ん中で割れてるの、ほらココね?」
「あぁ……何となく?」
「だから女の子だと思います。多分間違いない、かな」
女……?
腹の中の子は。
俺達の子供は。
……女?
女かっ!
そうか、女。
心菜に似て美人になるか?
あ、女の子は父親似だっけ?
って!
俺、自分で父親とか言ってるし……。
女って言えば、ピンクだよな?
黄色も可愛いかなぁ?
よしっ!
「陽呂? ……ニヤニヤして気持ち悪い」
「へっ?」
思わず自分の顔に手をあてた。
会計を済ませた心菜は、財布を鞄に入れながら呆れ顔で睨んでる。
だって……だってなぁ?
腹の子供の性別がわかったんだぞ。
可愛さ倍増だろ!
男で、一緒に遊ぶのも良かったけど、女もいいじゃないかっ!
てか、どっちでも良かったんだけど。
性別がわかっただけで、腹の子が急に近くなった気がしてさ。
あ!
名前も考えなきゃなっ。
「って……あれ?」
ハッと気付くと、隣に居たはずの心菜が先を歩いた。
置いてかれてるしっ!