LOVE PRINCESS(陽呂&心菜)
走り出した車の中で、俺の頭の中は子供の事でいっぱいだった。
生まれる頃は秋に入るし、冬対策に防寒着とかも必要だよな?
でも、まだ夏だし暑い日もあるか?
靴なんて、まだ早いんかな?
あ! 名前辞典も新しく買おう!
名前、何にするかなぁ?
可愛らしい名前がいいなぁ。
今風で、海外でも伝わる名前とかもいいかもな。
古風なのも捨て難いよなぁ。
「あれ? こっち……会社じゃないよね?」
外を指差す心菜に、俺は弾んだ声を出す。
「今からベビー服を買いに行こうと思って」
「はぁ?」
「ほら、だって女だってわかったし。
ピンクとか可愛いですよね」
にっこり嬉しそうに微笑む俺に、
「そんなのまだいらない」
そうバッサリ切りれた俺は、心菜に会社へと連れて行かれてしまった。