LOVE PRINCESS(陽呂&心菜)



病院へ行った以来、心菜の様子が変だ。


駄目だって言われたのに毎日毎日、子供の物を沢山買って帰るからか?

確かにもう足りない物はないだろう。ってなくらいに部屋にはベビー用品が溢れてるけど。


でも今日も、やっぱり買い物をして帰って来てしまった。


いや、可愛い服があってさ?

俺は誰に言い訳をしてるんだろう……。


ドアの前で隠せないか考えてみたものの、デカイ包装紙の音がガサガサなるだけだった。

そんな事をしてるとガチャとドアが開き、


「家の前で何してるの?」


心菜が出て来てしまった。


家の前でしゃがみ込み、開いた鞄の中へ必死に詰め込もうとする俺を冷たく見下ろすと、溜息を零し部屋の奥へと入って行ってしまう。

その背中を慌てて追いかけた。


「あのー……心菜さん」


声をかけても振り向いてもくれない。


「あのー、実はこれ……」

「もう毎日毎日、赤ちゃん赤ちゃんばっかりじゃない!」


はい?

やっと振り向いたかと思えば、大きな声を出して怒る心菜に驚いてしまった。


< 113 / 180 >

この作品をシェア

pagetop