LOVE PRINCESS(陽呂&心菜)
「ご飯食べてる時も名前の本読んで。
ちょっとした事で、赤ちゃんに何かあったらどうする!?
って怒ってばっかり。
そりゃ嬉しいわよ?
赤ちゃんを楽しみにしてくれるのは凄く嬉しい!
だけど陽呂は最近、私を見た?
私じゃなくて赤ちゃんしか見てないじゃない!」
そう一気に話し終えると、部屋へ戻ってしまった。
閉まったドアが大きな音を立てると、そこは気持ちの悪いくらいに静かで。
今のが心菜の本心?
だから最近、機嫌が悪かったんだ。
確かに、最近の俺は全てが子供だったかもしれない。
でも仕方のない事じゃないか?
大切な命なんだから。
勿論、心菜を大切にしなかったわけじゃない。
二の次になんてしてない。
でも、そう思われてもおかしくないのかもしれない。
俺、子供の話以外してなかったよな。
心菜の体調なんて聞いてなかったよな。
心菜の心配してなかったよな。
ネクタイを外し。
さっき買ったデカイ包装紙に包まれた服を持って、心菜の入った部屋をノックした。
勿論、中からは返事なんてなく。
俺も返事なんて待たずに部屋へと入った。