LOVE PRINCESS(陽呂&心菜)



「実は俺、傘持ってたんすよねー」


え……。


「だけど心菜さんが待っててくれてた事が嬉しくて、黙ってたんですよね」


照れ笑いを浮かべて私を優しく見下ろす。


「持ってたなら言いなさいよね。
手繋いで歩くのなんて初めてだったんだからっ」

「えっ、覚えてたんですかー?」

「……知らなーい」


今度は私が陽呂の手を引っ張り先に歩いた。

傘をさし荷物を持つ陽呂は『濡れるってば!』って慌てて傘を私に傾けたけど。



こんな優しさは……昔から変わらないんだね。




-end-

-07.1.20-
< 133 / 180 >

この作品をシェア

pagetop