LOVE PRINCESS(陽呂&心菜)
2月14日-心菜・高1
「心菜さん!?」
「……」
目の前の状況に、周りの誰もが何も発せなかった。
そう、私自身ですら。
そこには黒い煙のあがる……物体?
その物体は、真っ黒な塊となっていた。
どうして、こんなことになってしまったんだろう?
自分でもわからない。
バレンタインが迫った2月初め。
何故か部屋に置いてあったお菓子教室の申込用紙。
今年こそは、少し素直に手渡せるかな?
と思い、申し込んでみたのが始まり。
毎年毎年、陽呂にチョコを投げるように渡す私は本当に可愛くないと思う。
だから今年は、私の手作りで。
『おいしい?』
なんて聞きながら一緒に食べれればな……
なんて思った高1のバレンタイン。
なのに。
お菓子教室3回目にして未だ出来上がるのは、この……物体。
これは一体なんなんだろう?