LOVE PRINCESS(陽呂&心菜)



「あぁ、そっ、そう」


ラッピングした箱を後ろに隠しながら部屋を出ようと思ったら、少し開けていたドアがパタンと閉まってしまった。


あああー!

何でタイミング良くドアが閉まるのよっ!?


苦笑いを浮かべると、それを見ていた陽呂も苦笑い。


私、変な子ぽく見えてんだろな。


こうなったら仕方ないっ!


「これ! バレンタイン!」

「へ?」


陽呂の座ってる前に素早く座り、机の上にドンと置いたラッピングした箱。


そのまま沈黙が流れる。


私、何言ってんの?

バレンタイン!
って言いきってどうすんのよ。


あぁ、もう恥ずかしいっ!


「あー、あぁ。チョコですか?
これは……俺の?」

「えっ、あっ、違っ、美鶴にもって思って?
いや、ひっ、陽呂も食べれば?」


って私、何言ってんのよ?

噛みまくって、やたら早口になってるし。


そんな私を見て、クスクス笑う陽呂が箱を自分の方へと引き寄せ、


「開けていいんですか?」


とにっこりと笑った。


思わず素直に頷いてしまう。
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