LOVE PRINCESS(陽呂&心菜)
丁寧に開けられていくラッピング。
受け取ってくれた事に少しホッとしながらも。
先生が作ったとはいえ、どんな反応をしてくれるか、ドキドキしてしまう。
「あ、ケーキだ。
って、これ手作りですか?」
また頷くだけ。
そして、準備万端のフォークとお皿を差し出した。
「へぇ、凄いですね。
先に食べていいんですか?」
またまた頷くだけ。
『いただきます』って一口食べた陽呂が、
「すっげー美味いですよ」
なんて優しく笑ってくれるから、私も嬉しくて『良かった』って満面の笑みを零してしまった。
「ねっ、ねぇ。今年はどうして義理も受け取ってないの?」
凄く聞きたくて、ずっといつ言い出そうかと思ってた私が、聞けたのは半分くらいを食べ終わってからだった。
「え? 良く知ってますね」
なんて、まだケーキを頬張りながら笑う。
「え? あ、愛未がね?
愛未が言ってたから」
「さすが愛未さん。
情報網が半端ないですねぇ」
なんてクスクス笑う。
「貰っても食べきれないですし。
それに俺は心菜さんのを優先して食べますから。
今年は教室まで通ってたんですよね?
結構楽しみにしてたんですよ」
そう言う陽呂は凄く優しい顔で私を見つめてた。