LOVE PRINCESS(陽呂&心菜)
3月14日-陽呂・中3
季節は3月。
俺にとって毎年困る月、到来。
“ホワイトデー”
バレンタインデーは、お菓子業界の陰謀だと捻くれた考え方も持ちたくなるよ、本当。
「どーすっかなぁ〜」
「どうしたの、陽呂?」
美鶴の部屋を自分の部屋かのように使う俺は、ベットに寝転んでゴロゴロ動き回る。
「ホワイトデーだ、ホワイトデー!」
「ホワイトデーが、どうかした?」
綺麗な顔を崩す事なく、ホワイトデーの言葉を口に出す美鶴。
俺なんてホワイトデーって言葉を聞くだけで眉間に皺を寄せてんのに。
「ホワイトデーは、ホワイトデーだろがっ!
お前は、返しどーすんの?」
「あぁ、お返しね。
俺は、もう注文してるよ?
あ、陽呂のもしてあげようか?」
金持ちのお坊ちゃまは、これだから困る。
「今年のマシュマロとクッキーセットは美味しいんだよ」
と言いながら、笑う美鶴を睨んでる俺になんて目もくれず、味の説明を話続けた。