LOVE PRINCESS(陽呂&心菜)
「ラッコですかね?」
そう指差す俺に『ラッコかぁ♪』なんて可愛い笑顔を見せた後、またイルカを見て考える。
ぶっ。見てて飽きない。
心菜の手から2つのキーホルダーを取りレジへと向かった。
「えっ? 陽呂!?」
それを慌てて追い掛けてくる。
心菜が来た時には、金を払い終わり、店員さんがキーホルダーを袋へと入れていた。
「あ、お金払う」
「いいですよ、俺からのプレゼントです」
にっこり笑い、店員さんから受け取った袋を心菜に手渡した。
店から出て、後ろを振り返ると俯いてる心菜。
「心菜さん?」
「あっ、ありが……と」
語尾が弱く、小さな声で俯いたまま、お礼を言った。
珍しいー。
心菜が礼言ってるし。
「いえいえ、どう致しまして。
っても、ここの動物園のチケット、タダですからね。
ホワイトデーのプレゼントになってませんから」
「えっ? 十分だよ?」
俯いたままの顔をあげて俺を見つめる。