LOVE PRINCESS(陽呂&心菜)
やべぇ。
今すぐ抱きしめたい。
影に合わせた掌に力が入った。
その瞬間、心菜の掌の影が薄くなり
「疲れたから先に寝るね。ゆっくりお風呂入ってね」
そう言いながら、バスルームから消えて行く。
はっ?
寝るって……
「ちょっ、待って下さいっ!」
慌てて、外へ出ようとしたら目の中にシャンプーが入り止まる。
あー、もうっ!
んな時に、うぜぇ。
再び勢いよく出したシャワーで乱暴に髪を洗い流した。
大して体も拭かず、黒のバスタオルを腰に巻いて寝室まで急ぐ。