LOVE PRINCESS(陽呂&心菜)
驚いた俺になんて目もくれず、呆れた顔を見せる心菜は俺を見て、
「はぁー……」
「え? 何ですか?」
大きな溜息を零し、次々と指差して行く。
「前髪をピンで止めて?
エプロンまでして?
楽しそうに鼻歌うたって?
朝ご飯作り?」
えっ?
言われた箇所を同じように目で追ってみる。
前髪は、邪魔だし。
エプロンしなきゃ服汚れるじゃねーか。
それに黒色だし、よくね?
鼻歌は……この歌好きなんだよ。
朝ご飯は、心菜が腹減ってるだろーと思って。
「結婚して、まだ1ヶ月ちょっとなのに何で、そんな所帯じみてんのよ!?」
「所帯じみて……ますか?」
そうニカッと笑ってみた俺に、心菜はキツーイ睨みを入れながら部屋へと戻ってしまった。
何、怒ってんだろ?
別にいいじゃねーか。
え……。
駄目なのか?