LOVE PRINCESS(陽呂&心菜)



そっと開けたドアから顔を出し左右確認。


よし、いない。


ホッと胸を撫で下ろしたのも、つかの間。


「さっきの一言は…酷くないですか?」

「げっ……!」


思わず、心の声が出てしまい慌てて口を押さえた。


「ほーう。
げっ! ですか」


笑って私を見つめる陽呂の目が笑ってなくて恐い。

陽呂と同じように笑ってごまかすものの……笑顔が引き攣ってしまう。


「で。何で怒ってるの?」


トイレから部屋へと連行された形となった私は座らされ、目の前に居る陽呂に問われてしまう。


「勝手に怒ってもわかんねーじゃん。
俺、何かしたっけ?」


明らかにさっきの、げっ! を根に持ってる陽呂なんかに負けてらんない。

だって元々は、起きない陽呂が悪かったんだよ。

起こしてたあげたのに……


「眩しいって……言ったもん」

「眩しい……って、あれか!」


思い出すように考える陽呂は、プッと笑う。


笑ってるけど。

今日の休みは早く起きて2人でのんびりしよーな。って言ったのは陽呂じゃん!

だから頑張って起こしたんだよ?


それなのに。



ドキドキだってするのは私だけだし。

今日を楽しみにしてたのも私だけだし。


陽呂は、もぅ慣れちゃってるみたいなのが何か…悔しいかったんだもん!
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