LOVE PRINCESS(陽呂&心菜)


次の日、愛未をカフェまで呼び出した。


「心ちゃ~ん」


とびっきりの笑顔で手を振って走って来る。


そりゃ、そうよね。

この……すっごく取るのが大変だったホテルのチケットを譲ってあげるんだもん。


席についた途端、身を乗り出してくる。


そんなしなくても譲ってあげるわよ、……悔しいけどさ?

バックからチケットを取り出し、渡す前に手から奪い取られてしまった。


「これが雑誌に載ってたホテル?ディナーもおいしそー!」

「はぁ。名前は、もう言ってあるから……林でいいのよね?」


満面の笑みで頷き、またチケットを眺める。


はぁー……仕方ない。

仕事は仕事。

諦めなきゃだよね。


愛未も喜んでくれてるし、いっか。


「ここのホテルの食事とお泊りセットって1年前から予約いっぱいだったって聞いたけど。
よくこんなとこの取れたねー!」

「まぁね……」


権力でもぎ取ったと言われても仕方ない手を使ったわよ!

だから、行けなかったのかなぁ。

確かにズルしたけど、キャンセルが出たら押さえておくようにお願いしただけじゃなーい!


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