LOVE PRINCESS(陽呂&心菜)
社内に戻った私のデスクには、山のような書類が待っていた。
なんじゃこりゃ……。
溜まってた分が一気に流れてきたらしく、私の怒りは爆発寸前。
いつもなら、仕方ない。で済ますのに。
最近、何だか怒りっぽいなぁ。
なんて思いながらも1枚1枚、目を通していく。
中々終わらない作業に残業の毎日が続いて。
気付けば1週間。
内容は多少違っても、やる事は同じ。
家に帰るのは深夜ばっかりだった。
「心菜さん」
不意に名前を呼ばれ、顔を上げたら陽呂が私の眉間に指を当てた。
「眉間に皺寄ってますよ?」
そう笑って言う陽呂に、少し顔を赤くして眉間を押さえた。
「最近、頑張り過ぎじゃないですか?」
「まぁね」
そう返事をしながら、大量の書類をパタパタを仰ぐ。
それに陽呂も渋い顔を見せつつも
「もう19時だし。今日は久々に一緒に帰りませんか?」
えっ、もう19時?
外を見ると真っ暗になっていた。
首を左右に曲げ
「家で出来る分は家でするわ」
そう言って、残りの書類をまとめ会社を出た。
まさか。
家に戻って、あんな事になるなんて思いもしなくて。
自分自身のうっかりさにも、ほどがあるよ。