シューティングスター
午後からはただひたすらに
勉強にしがみついてた。
誰より頑張りたくて。
誰より遅れたくなくて…
それに、どうしても
怒らしちゃっただけ
また私のことをただ見てほしくて。
だから真剣に頑張ってた。
「早く終わらないかな?」
何てバカな考えもなくなっていた。
急に放送がかかった。
私の耳を教員の声が突き破る。
「いまから革靴に履き替えて
五分以内グラウンドに集まりなさい。」
みんな、手を止めて急いで
走って外に出た。
平面なのか階段はどこなのか
わからないくらい真っ暗だった。
「亜美ー!!!!!!!」
友達を呼んでこけないように
ゆっくり、ゆっくり歩いて行った。
すぐ目の前なのに。
やっとの思いで着いた。
ただ目の前に、なにか並んでた、
夏…外…
きっと打ち上げ花火でもするんだろう
せっかくの楽しみを
一人壊していた。
パッと、視線をあげると
夜空一面
宝石をぶちまけたくらいに
キラキラした夜空だった。
「柏木くんは夜景とか好きかな?」
心のなかで自問自答していた。
答えの帰ってこない自問自答。