誰かの為のラブソング
この学校はスポーツが盛んで、陸上、バスケ、テニス、サッカー部が全国大会で毎年優秀な成績を収めている。
スポーツ特待生が大半を占めるのだから、全国大会の常連であるのも至極当たり前だ。
理久は次期サッカー部のキャプテン候補。
本人曰わく、統率力があるだけだよと照れ笑いしていたっけ。
リズはそんな理久が羨ましかった。
一つのことに夢中になれる。
無我夢中になれるものがあることが羨ましかった。
「あ、そうそう、川嶋。
今日遅刻したから、後で校庭の掃除な。
理由がなんであれ、規則は規則だからな。」
申し訳なさそうな反面、溜め息混じりの先生の言葉。
あれ?
バレてる?