誰かの為のラブソング

「それでさー
上ちゃんったら、大ボケかましてさ~
みんなから、ツッコミ入れられてぇ~
はぁ~?って意味わかってないのー超ウケてさ~」

愛香はマシンガンのように喋り続けては、リズの笑いを誘った。


「……………。」

愛香は無理をしているように感じて、逆にその優しさが目に染みた。

「……愛ちゃん…
ごめんね…」

リズは今にも泣き出しそうになっていた。


「なっ…何、言い出すかと思えば、この子ったらぁ~」

余りにも真剣に謝るリズの様子に愛香はとうとう言葉を失ってしまった。

「…そんなの言いっこなし。
もうやめてよね。」

ふいと愛香は顔を背けてしまった。


「色々迷惑かけて
ごめんね…。

疲れがたまってたみたい…そう先生に言われたんだ…」


言えなかった。


本当のことを。

何故、あんなことに
なったのか。

真実を言ったら
嫌われるかもしれない…

愛香が離れていくかも
しれない。

そう思えて、リズは
言えなかった。


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