誰かの為のラブソング

バイト行かなきゃ。


リズは焦る気持ちで、服に着替えた。



…なんて、顔…



髪はボサボサで、目は酷く腫れている。


リズは自分の気持ちと身体に鞭を打ちながら、身だしなみを整えた。


ふと、ジーパンのポケットに入っている小さな紙切れを見つけた。


リズは徐に取り出すと中身を開けた。




『 神志名 裕

○○市南区… 』



それは、あの不登校の代議士の息子の名前だった。



愛香が、また行こうねと言っていたことを思い出した。


リズは溜め息をつくと無造作にその紙切れを元の位置に戻した。


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