誰かの為のラブソング
「なに?なに?!
どうしちゃったの?」
撮影している人間の声が映像に入っていた。
「よくあることだよ。
ギターの敦也、今日もダメダメじゃん。」
この撮影者は常連客なのだろう、またかよ。と、妙に冷静でいた。
10分ほど経っただろうか。
突然、ユウとギターの敦也がステージに現れた。
「…中断、ごめん。
ここから、サイコーの
ライブにするからな!」
ユウはマイクスタンドに向かってこう言い放った。
オーディエンスは、待ってましたと言わんばかりに再び拳を振り上げた。
それから、繰り広げられるRozeeL(ロゼル)のライブは明らかに違いがあった。
それぞれの音域は めまぐるしいほどの広がりを見せた。