誰かの為のラブソング

「…………うん…」


リズは噛み締めるように理久の言葉を受け止めた。


わかってるよ…
理久…


今は苦しみや痛みを共有してくれる人がいるってこと。



あの頃と違って、
今は一人じゃないってことも。


だから、


尚更、失うのが怖いんだ…。


だから


こんなに臆病になっちゃうんだ。



「…嫌なの…
あの頃に戻りたくない…。

…でも、怖いの…
またみんなに迷惑かけるかと思うと怖くてしょうがないの…

でもどうしたらいいのかわかんないの…」


リズの頬には、いつのまにか涙が伝っていた。


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