誰かの為のラブソング

「でも、でも
うるせぇよ。
そんなことまで気にしてたら何も出来ねぇだろがっ!!
別に迷惑かけようが知ったこっちゃねぇんだよっ!

俺らがいいっつってんだから、いいんだよっ! 」


理久は吐き捨てるように声を荒げた。



「……頼むから…
もっと頼ってくれよ…

頼むから………」


それは声にならない叫びだった。

精一杯の理久の気持ちだった。



「…………」






幼い頃から、人に迷惑を掛けないようにと言われ育ってきた。

人は、簡単にいなくなるものなんだと教えられてきた。



もう、一つでも何かを失うのが怖いんだ。


失うと

二度と戻ることはないから。


人の心や気持ちは
儚いものだって、
わかってるから。



永遠に変わらない心なんてない。



人の命と同じように
永遠なんてないんだ。



消えてなくなる時は
いつも、突然なんだ。





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