誰かの為のラブソング
目の前にあった当たり前のことが突然 消えてなくなるということ。
永遠に続くことなんてこの世には存在しないということ。
今まで、どれだけ幸せだったのか失って気づいた。
そう、あたしは今まで、計り知れない大きな優しさに包まれながら生きてきた。
いつも誰かに守られて
生きてきたんだ。
「……………。」
リズはアスファルトから広がる
音色に耳を傾けた。
それは、街の喧騒にも負けない強い意志を持っている。
また、守ってもらうの?
当たり前のように…
「……………。」
彼の唄は問い掛けているようだった。
路上の片隅から絶え間なく流れる唄はリズに手を差し延べていた。