誰かの為のラブソング


それで毎日バイトしてるんだ…

高校辞めてから一人暮らし始めたのかな?

どこでバイトしてるんだろ…


リズは頭の中で色々な思いを張り巡らせていた。


「リズは?」

「えっ?」

話題を反らそうと彼に話を振ったのに、考えごとをしすぎてタイミングを失ってしまった。


「何か悩みあるでしょ。
なんかそんな感じ」


ユウは思いきり背伸びをすると夜空を仰いだ。

「うわっ!!」

突然、変な声を出したかと思うと彼はそのまま後ろに倒れてしまった。

ばしゃん!と水しぶきが上がり、ユウは背後にある噴水の中に背中から落ちてしまった。


「!!ユウさんっ?!」


彼は天を仰いだまま噴水の中で漂っていた。


「だっ大丈夫ですか?」




「…めっちゃ気持ちいいー」


リズの心配をよそに、ユウはぼそりと呟いた。

全身ずぶ濡れの彼は起き上がろうともしない。


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