誰かの為のラブソング
「…ユウさん? 」
リズの声にもしばらく反応しない彼は瞳を閉じていた。
うそっ!?
寝てる??
そういえば疲れていたような…こんな所で、本気で寝ちゃったとか?
噴水は浅いから溺れることはないけど、いくらなんでもこんな所で寝てないよね?
リズは再び声を掛けようか躊躇していた。
「……リズー」
彼はリズの名を呼ぶと、リズの腕を掴んでおもいっきり引っ張った。
「えっ!!」
水しぶきが路上に零れ落ちた。
リズはそのまま噴水の中に背中から落ちた。
気がつくと彼の横で浮いていた。
「どう?
気持ちいいでしょ」
「−−−−!」
びっびっくりしたっ
死ぬかと思ったっ。
人間って本気で驚いたら声も出ないってよくわかった。
「…すげぇ驚いた顔っ」
彼は水の中で爆笑し始めた。
「っもうっ何するんですかっ〜!」
リズは噴水の中で起き上がるとユウを睨んだ。
彼はまだ笑っている。