誰かの為のラブソング
「……………。」
まるで子供がふざけ合ってる
みたい…。
完全に取り残されたリズは
とりあえず、巻き込まれないように噴水から出ることにした。
「くらえっ!ナカユビっ」
水浸しになりながら、ユウは
両足で男の胴体を締め上げた。
「ギブッギブッっ〜!」
悶絶する男は噴水の中で、バシャバシャと両手で水しぶきを上げた。
「あ。」
その時だった。
噴水から出ようとしたリズは
思わず彼と目が合った。
「…あ、ども。
はじめまして。」
彼は愛想笑いでその場をごまかした。
「…あ、どうも…」
そんな彼をみて、リズは
苦笑いをするしかなかった。