誰かの為のラブソング

「……………。」

まるで子供がふざけ合ってる
みたい…。

完全に取り残されたリズは
とりあえず、巻き込まれないように噴水から出ることにした。


「くらえっ!ナカユビっ」

水浸しになりながら、ユウは
両足で男の胴体を締め上げた。

「ギブッギブッっ〜!」 

悶絶する男は噴水の中で、バシャバシャと両手で水しぶきを上げた。

「あ。」

その時だった。
噴水から出ようとしたリズは
思わず彼と目が合った。



「…あ、ども。
はじめまして。」

彼は愛想笑いでその場をごまかした。



「…あ、どうも…」


そんな彼をみて、リズは
苦笑いをするしかなかった。


< 137 / 234 >

この作品をシェア

pagetop