誰かの為のラブソング
「いやぁ〜マジビビったわ。
まさか、女の子が一緒に
どざえもんごっこしとるとは思ってなくてさー
や〜すまん、すまん。」
彼は首に掛けたタオルで顔を
一生懸命拭いている。
「…だから、どざえもんごっこてなんだよ…」
ユウと彼は地面の上であぐらを かいている。
「なんか、恥ずかしいとこ
見せてもうたな〜
……えーと…」
彼はリズの名前を探っていたので、とりあえずリズは名乗ることにした。
「リズちゃんかぁ!
いや〜いい名前〜」
水も滴る彼は、一仕事を終えたかのように爽快感に溢れていた。
「……よく言われます。」
すかさず、ユウは含み笑いを浮かべながらこう言い放った。
「っもうっ!」
リズは思わずユウに向かって牙を向いた。
ユウはそんなリズを見て、また笑いが止まらなくなっているようだ。
「リズちゃん、あんまり見掛けたことないなー
いつからぁ? 」
「えっ?」
「こいつと付き合ってんじゃねぇの〜? 」
「ちっ違いますよっ!
なんで私がっ 」
リズは何故だか焦っている自分に気が付いた。
「…そんなおもいっきり
否定しなくても…」
ユウはぼそりとリズにツッコミを入れた。