誰かの為のラブソング


「まぁええか。
オレは、渉。
ユウとはかれこれ…何年だ?
お前が中学の時からだから…
て、今 お前 いくつだっけ?」

「…んなこと別にいーよ。
ジジィ」

「誰がジジィじゃぁぁ!」

ユウと渉はまるで漫才コンビのような間柄だった。

リズはそんな2人を見て、笑いが止まらなかった。


「リズ、むっちゃ笑ってるー」

そんなリズを見て、ユウは心底喜んでいた。


「はっ?
なんでお前まで嬉しそうなんだよ。意味わからんわ。」

「…ジジィは、いいって」

「だから、ジジィじゃねぇって!!
だいたい、どの基準でジジィになんのか説明しろやっっ
ゴルァ!」

ユウと渉はそれから、ジジィに
ついて討論を始めた。

渉は今、29歳だということ。
29歳はぎりぎりジジィラインに入ってはないと主張するが、ユウみたいな10代からしてみれば、渉はれっきとしたジジィになること。

なんだか、それをお互い熱く語っていた。


そんな彼らを見ているだけで
リズは心の底から笑うことが出来た。


それが妙に新鮮で眩しすぎた。


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