誰かの為のラブソング

悶々としているリズの目の前に、息せき切って駆け寄ってくる彼女。



「おっはよ!
って、もう昼だけど。
何、マジメにやってるんだぁ?」


くるくると笑顔を振りまく彼女、


樫村 愛香
(かしむら あいか)


リズの親友で、いつも明るく振る舞う彼女は、同じクラスの女子生徒から絶大な人気がある。


場を盛り上げることに関しては天下一品だ。



「バッカよね~
どうせ掃除させられるんだから、お母さんに頼んで休ませてもらったらよかったのにー。

あと1回で、晒されの刑じゃん~」



「理久がチクったの~
私の為だって。」



「はぁ?!
但馬、余計なことして~リズに恨みでもあるのぉ?!」



「…愛ちゃん
それは違うと思う…」


本気で怒っている愛香に対して、リズは笑いながら否定した。



理久の気持ちもわからないでもないけどね。


リズは地面に散らばった落ち葉をホウキで片付けた。


「てゆか、
リズ、昼まで寝てたの?最近、バイトきついんじゃないの?」


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