誰かの為のラブソング
実は今度の対バンライブに
なんとしてでも出したいから、
自分がやってるデスメタバンドのボーカルにユウを引っ張ろうかと計画中なんだ、と渉は得意げにこう付け加えた。
「昔のRozeeL(ロゼル)はミクスチャーロックっつーて、ラップとハードロックをミックスしたロックをやっててさ。
ユウのラップはデスメタでも本気
使えるんよな〜」
渉は目を爛々と輝かせていた。
そうでもしないと、あいつらの接点が全くなくなっちまうし。
なんでもいいんだ、
とにかく、あの2人をつなぎ止めておきたいんだよ。
と渉は真剣に語った。
「…………。」
一緒だった。
渉もリズと同じ気持ちを抱いていた。
ユキとユウがいるRozeeL(ロゼル)の存在は計り知れないほど大きなものだった。
「…あたしも同じです。
昔のRozeeL(ロゼル)のライブ見たんです。
今のRozeeL(ロゼル)はやっぱり違うと思いました…。
ストリートをしているユウさんだって…違うと思います。」
リズはありのまま思っていることを渉にぶつけた。
何も知らない、
わかってもいない
音楽初心者がいうには、
説得力がないかもしれない
けれど。