誰かの為のラブソング


「リズちゃんみたいなファンがいて、あいつらは幸せもんよぉ〜。
これ、ユウが聞いたら
ぜってぇ喜ぶな。

最近のファンは顔目当てで来る 奴らが多いみたいだし。

あ、ちょっと待っとりや」

そう言いながら、渉は突然
立ち上がるとその場から離れていってしまった。


「…………。」


彼が離れていった後、リズは
ぼんやりと考えていた。


もしかして、
ユウがRozeeL(ロゼル)を
脱退した原因は
今井友喜とユウの間に何かあったから…?


渉の話を聞いて、リズは直感的にそう思った。



「〜待たせたなっ〜
これっリズちゃんに!」


息を切らしながら戻ってきた渉は手の中にあるCDをリズに渡した。



Death and Live Interval

渡されたCDは見慣れないバンドのアルバムだった。

「これ、オレがやっとる
デスメタバンド。
通称 デスイン 」


「すっすごい…
デビューしてるんですか?!」


リズは興味深くアルバムを見つめていた。



< 146 / 234 >

この作品をシェア

pagetop