誰かの為のラブソング
「リズちゃんみたいなファンがいて、あいつらは幸せもんよぉ〜。
これ、ユウが聞いたら
ぜってぇ喜ぶな。
最近のファンは顔目当てで来る 奴らが多いみたいだし。
あ、ちょっと待っとりや」
そう言いながら、渉は突然
立ち上がるとその場から離れていってしまった。
「…………。」
彼が離れていった後、リズは
ぼんやりと考えていた。
もしかして、
ユウがRozeeL(ロゼル)を
脱退した原因は
今井友喜とユウの間に何かあったから…?
渉の話を聞いて、リズは直感的にそう思った。
「〜待たせたなっ〜
これっリズちゃんに!」
息を切らしながら戻ってきた渉は手の中にあるCDをリズに渡した。
Death and Live Interval
渡されたCDは見慣れないバンドのアルバムだった。
「これ、オレがやっとる
デスメタバンド。
通称 デスイン 」
「すっすごい…
デビューしてるんですか?!」
リズは興味深くアルバムを見つめていた。