誰かの為のラブソング
「愛ちゃんっ声がデカいよっ聞こえちゃうっ~」
当然のように校則ではバイト禁止だ。
リズは学校に内緒で、ファミレスのウェイトレスのバイトをしている。
親から貰えるお小遣いが少ないからだ。
「ごっめん~。
だいたい夜遅くまで
バイトしてるから朝起きれないんだよー。
回数減らすとかさ。
それに、学校にバレたら停学じゃん。ヤバいって」
言われなくてもわかってる。
でも、どうしてもバイトをする必要がリズにはあった。
「私の家、最近セコいからお小遣いじゃ無理だもん。
本当にヤバくなったら、辞めるよ」
そう言って何とか愛香をなだめた。
彼女の忠告はとても心がくすぐかった。
それでも、リズは今日のバイトのことで頭がいっぱいになっていたのだった。