誰かの為のラブソング
何で、ユウはRozeeL(ロゼル)を辞めたの…?
今井友喜と何かあったの?
だから、対バンライブに出ないの…?
リズは唱えるように何度も何度も心の中で繰り返していた。
聞きたいけど、聞けない。
何故だか、触れてはいけない気がした。
その領域に踏み込むと、ユウに嫌われる気がして、聞くことが出来なかった。
「リズってさー
バイト何やってんの?」
長い沈黙を破ったのはユウだった。
「えっ、ファミレス…」
「ファミレスか〜!
リズ、制服姿似合いそう。
今度 行くよ。」
「えっ!
い、いいよ! 」
おもいっきり断るリズに、ユウは口を尖らせた。
「別にいいじゃん」
「よくないよ〜!
恥ずかしいしっ」
リズは見上げるようにしてユウを見つめた。
彼は身長が高すぎて、見上げても表情がよく見えなかった。
「んだよ、俺が恥ずかしいってことかよー」
「ちっ違うよっそうじゃなくてっ〜」
ユウは本気で怒っているみたいだった。
リズはすかさず弁明した。
「だから、私が恥ずかしいからイヤだって言ってるの〜」
思わずユウに詰め寄る。
「………ふーん。」
ユウはそんなリズをまじまじと凝視した。
「っ〜」
目が合った途端、リズは思わず視線を外した。
何故だか、ユウと目が合うと
まともに見れない自分がいた。