誰かの為のラブソング
「……なんだか…」
突然、トーンダウンしたユウは静かに呟いた。
「俺のこと、怖い…?」
真夜中の交差点から車のヘッドライトの光が一筋に差し込んだ。
思わず視界を奪われ、目が眩んだ。
「え… っ…」
早く誤解を解かなきゃ…
そう思えば思うほど次の言葉が出てこなかった。
今まで必要以上に人を警戒してきた過去の自分が頭を過ぎり、言葉が見つからなかった。
かといって、ここでとりあえず謝ることもしなかった。
謝るとそこで認めることになってしまうから。
リズは言葉を探していた。
「っ…あたし…」
「リズっ! 」
背後からする聞き慣れた声がリズの言葉を再び失わせた。
「……愛ちゃん…」
そこには、理久と並んで愛香が 立ち尽くしていた。