誰かの為のラブソング


今まで人を避けて来た。

本当に心を許せれると思う人にしか心を許さなかった。

じゃないと、自分が傷つくから。

傷ついて不安になると、また発作が来て皆に迷惑を掛けてしまうから。

無意識のまま、自分を守る為に 今までそうやってきた。


「……なんか、ショックだったなー。
俺とリズはまだ人見知りするような関係だったんだー」

ユウは大きく背伸びをした。

「…ごめん…」

リズは小さく謝った。


「俺も不安だらけだよ。正直。
敢えて口に出さないだけ。
でも… 」

ユウは下を俯いた。
綺麗な細い髪がユウの顔を隠した。


「俺は、傷つけるぐらいなら
傷つけられた方がいい。」


真夜中の空気に溶け込むような静かな言葉にリズは目を見張った。



あたしは…自分を守る為に、
周りにいる人や近づいてくる人達を知らず知らず、傷つけてきたのかもしれない…


「………。」


ユウもあたしのせいで傷ついたんだ…


そう思うと涙が止まらなかった。


「おいっなんで泣くんだよ〜
これ、俺の話なんだから、誤解するなよー

俺も今まで沢山人を傷つけてきたから、そう思ってるだけだよ。
俺が言いたいのはさ…」

ユウはリズの正面に立ち、振り返った。


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