誰かの為のラブソング
「…うん………」
リズは涙を拭いながら、相槌を打った。
「だから、
ちゃんと学校いけよー?
学生は学業が1番大切だろぉ?
」
リズは思わず笑った。
「なーにいきなり笑ってんだよー。」
「だって…学校辞めてるユウが言うと説得力ないんだもんっ」
「そりゃそーだ。
俺、勉強嫌いなんだよな〜」
「…なんかユウらしいね…」
「それどーゆう意味だよ」
「あははっ」
強くなれる気がした。
ユウの言葉で救われた気がした。
あたしは、たった一言、頑張れと言って欲しかったのかもしれない。
発作が起きる度に、オブラートに包まれるように周りの人達に 守ってもらってきた。
傷口に触れてはならないように気遣われ、今まで生きてきた。
ずっと、逃げてきたんだ…
自分自身から…
だから、
治ってなかったんだ…
リズは唇を噛み締めるように心の中で固く決心した。
ユウ…
あたし、もう逃げないよ…
「ユウ……
…ありがとう……」
リズはユウの精一杯の気持ちに応えるように告げた。
ユウはそれを受け止めると静かに微笑んだ。