誰かの為のラブソング
「あー…腹減った…。
マック行くかー」
「…おいおい、話聞いてねぇよ… 」
理久の言葉に仲間一同は大きな溜め息をついた。
「早くしろよ、腹減って死ぬー」
理久はそんな彼等を残し、構内を歩き始めた。
「当然、お前のおごりだろーな?」
「仕方ねぇな〜
100円マックならおごってやるよー」
理久は背を向けたまま、先を急いだ。
「足りねぇよ、それじゃあ〜」
「後は知らネ」
空腹に耐え切れず、彼等はバラバラと重い腰を上げ始めた。
「メガがいいー理久〜」
「だから、知らネっつの」
「もちろん、セットだろうな〜?」
「なわけ、ねぇだろが」
「えぇ!
ハンバーガーだけかよっ?!」
「しつけぇよ」
「それなら、食わない方がマシじゃね?」
「…ごちゃごちゃうるせぇよ」
理久は頭をガシガシと掻きながら、駅の構内にある目標に向かってひたすら歩き続ける。
「あ〜もう!
スタバにしよーぜ…」
視界に入ってきたスターバックスコーヒーを物欲しそうに仲間の一人が眺めた。
「なんでだよー量が足りねぇよぉおー」
「どうせなら、晩飯にしろよぉお〜焼肉にしろよぉお〜」
ヤケになっている彼等は好き勝手なことを言い始めた。
「俺、牛丼でもいいわ… 」
「俺も!肉!ニクがいいー」
「ニク!ニク!肉!」
「うるせぇよ!
マックも肉入ってるだろが!」
理久はキレる寸前だった。
思わず立ち止まると振り返り、大声を上げた。