誰かの為のラブソング
「…いえ、先生
最近痩せたなぁって」
思ってないことを言ってみたりしてその場をごまかした。
「だろぉ!?
最近 残業続きで、ロクなもん食べてないんだよな~」
先生は職員室の椅子に大きく持たれ掛かって体を伸ばした。
「それに、お前みたいな問題児抱えてるしな~」
そんなこと言われても。
「川嶋、お前。
学級委員長なんだからもう少し 自覚しろよ~ 他の生徒に示しがつかないだろー」
そんなこと言われても。
学校休んだ日にみんなで勝手に決めてたことじゃない。
本人の意志とか全く無視してたくせに。
「ただでさえ、うちのコースは何かとスーパーコースの生徒と比べられる立場なんだから、
もう少し、ビシッと、
こう、ビシッとだな~」
身振り手振りで熱く語る先生にリズは重い溜め息を吐いた。
「お前も悔しくないのかー?
何かと比べられるんだぞ~
くっそ~見返してやるっつ~てだな~
こう、ハングリー精神?
最近のお前は、ハングリー精神がないというか~」
…先生のこの熱血さえ
なきゃ、いい先生なんだけどな…