誰かの為のラブソング


「愛ちゃん、あたしの口から、伝えたいんだ。

だから、聞いて…」


愛香は尋常ではないリズの雰囲気に息を呑むように手を離した。


「あたし…パニック障害っていう心の病を持ってるの…。

昔ね、親からの期待が大きすぎて、それに応えようと必至に頑張ったんだけど、思うようにはいかなかったんだ。

お姉ちゃんの代わりにはあたしはなれなくて…気がついたら、 その不安に押し潰されるような恐怖にパニックになるようになって…

それから、不安が襲ってくる度に発作が起きるようになったんだ。」


「……………」


「発作は、前みたいに呼吸困難になるの…

しばらくしたら落ち着くんだけどね…

それでも、心療内科に通って、
周りにいた人達に助けられて、なんとか克服したんだ。

だけど…この前、
また発作が来て…

あたし、まだ治ってなかったの…

今まで逃げてきたから、治ってなかったんだ… 」



愛香はじっとリズの話を聞いていた。



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