誰かの為のラブソング
口うるさい教師に反抗するかのように理久は荒々しくチョークを黒板上で滑らせた。
解答の数式を書き込むと理久は無言のまま出入口に向かって歩き出した。
「但馬!!どこに行くんだ!」
制止しようとする声を掻き消すように理久は言い放った。
「…なめてんじゃねぇよ」
反抗的な態度に教師は思わず詰め寄った。
「覚悟の上で退席するんだろうな?
お前の今後に響くぞ?」
脅しにも似た教師の発言に理久は全く動じず屈しなかった。
「理久!やばいって」
男子生徒が理久の後を追う。
「お前もごちゃごちゃうるせぇよ」
制止を振り払う理久を見て、リズは思わず席を立った。
「−−−−理久っ!」
リズは思うがままに理久の後を追った。