誰かの為のラブソング


「…お前のせいじゃねぇよ」

理久は顔を背けた。


「もう、いいよ!
理久は昔からあたしに気を遣って本当のこと隠してきたのわかってるんだから!

病気があるから、不安にさせないように隠してきたの、わかってる!

でも、それじゃ…ダメなの…

あたし、鈍感だから、言ってくれなきゃわかんないことの方が多くて、わからないと前に進めないっ…!

自分に向き合うことさえもしなくなるのっ… 」


リズは思いを全て理久に打ち明けた。

はっきりさせたかった。


自分が今までしてきたことを自覚して、もう二度と繰り返さないと誓えるように。


「…もう、あたしのせいで、
理久が傷ついたり、不安にさせるようなことしたくないの…
だから…
ちゃんと言って…

あたしのせいだって…」


リズは理久を真っ直ぐに見据えた。


「……言えねぇよ…」


弱々しい理久の言葉は静寂を作り上げた。


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