誰かの為のラブソング
理久は焦る気持ちを抑えながら階段を飛ばしつつ駆け降りていた。
なんだかよくわからないが、
とにかく行かなきゃ、
そう思った。
勢いよく駆け降り、校舎の外に出ると倒れている女子生徒を見つけた。
「っおい!
大丈夫か?!」
意識がない。
嘘だろ?
女子生徒に触れた途端、身体が熱を帯びていることに気づいた。
熱があるから倒れたのか?
とりあえず、理久は彼女を保健室に連れて行くことにした。
「……………」
彼女を背負うとこっちにまで、熱さが伝わってくる。
しかし…でかい女だな…
「……重っ」
理久はそれでも前へと進む足を止めなかった。
しかし…
俺、何やってんだよ。
別に、知らねぇし。
関係ないし。
「…めんな…さい…
…な…さい」
耳元からうなされるような声を聞いた。
「ごめんなさい… 」
理久は思わず足を止めた。
微かにその口から告げる許しの言葉は深い嘆きに似ていた。
「………許し…て……」
理久は目を見張った。