誰かの為のラブソング


チームは結局準決勝で敗退した。


それから、中学最後の全中も怪我のせいで、レギュラーから外されてしまった。


あの時の怪我から全てが崩れ去っていった。


「但馬、
言っただろうが…

自分のことを一番に考えろと…

周りはどうだっていいんだよ!」


監督の泣くような声に俺は…。


「お前はこんな所で潰れたらいけないんだよ…

但馬…」


監督が泣いていた。



ただ…俺は…

期待に応えたかっただけなんだ…

みんなの嬉しがる顔が見たかっただけなんだ。


監督…

何よりも、あんたの喜ぶ顔が見たかったんだ…。




涙が止まらなかった。



こんなに泣いたのは始めてだった。


身体中の水分が無くなるほど、泣いた。


情けなくて、

悔しくて


ただ泣くことしか出来なかった。











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