誰かの為のラブソング
何 考えてんだ、俺は。
彼女が気にしてることを蒸し返してさ。
気分悪くするの当たり前だろが。
「…あ、ごめん…
俺、ホント無神経だよな…」
彼女の笑顔が見たくて、元気づけようとしてたのに、なんてバカなんだよ、俺は。
「…本当にごめん…」
俯いている彼女と同じように理久は頭を垂れた。
「…あの…
そんなことないです…
本当に意味ないですよね…
何やってるんだろ…あたし…」
彼女は自分の行動に嫌気が差しているかのようにこう言った。
「いや、違うよ、
マジ違うから!」
理久は焦っていた。
自分が何気なく放った言葉が思った以上に彼女を傷つけている。
沈んだ表情を目の当たりにして理久は益々自分が情けなくなった。
「…いえ、本当のことだし…
でもそう言ってくれて嬉しいです…
ありがとう…」
彼女の沈んだ表情に少し明るさが戻った気がした。
「…いや……そんなことないよ…
俺はただ…」
ただ、また君と話がしたかったんだ。
ただ、会いたかったんだ。
「待ってるから」
「え?」
「学校で待ってるから、
早く来いよな」
理久の言葉に返事をするように彼女は静かに微笑んだ。
「……………」
なんだ、ちゃんと笑えれるんじゃん。
やっぱり、笑うとスゲェ
かわいいじゃん…
始めて見た彼女の笑顔に理久はいつまでも見とれていた。