誰かの為のラブソング
彼女の母親は理久を真っ直ぐに見つめた。
「…あなたが彼女にしようとしていることは、今のお義母さんにしていることと同じです…」
理久は噛み締めるように言葉を吐いた。
彼女の祖母も彼女自身も、見えない籠の中に閉じ込められているんだ。
彼女は飛べない鳥。
籠の扉は開いているのに外の世界が怖すぎて飛べない鳥。
いつでも自由に飛び出せれるんだ。
これからは、
人の為じゃなく…
自分の為に。
飛び出さなきゃいけないんだ。