誰かの為のラブソング
Regret
「はぁ??
なんだそりゃ。」
放課後のグラウンド。
部活動をする生徒達の掛け声が交差するなか、理久は声を荒げていた。
「………だから。
理久は泣いたことあるの?」
グラウンドの隅っこにリズと理久は腰を下ろし、たまに吹き付ける心地よい風を受けていた。
サッカーのユニフォーム姿の理久は、突拍子もないことを聞いてくるリズを思わず凝視した。
「……なんで、んなことお前に答えなきゃいけないんだよ。」
唐突すぎるリズの問いかけに理久は完全に理解不能だった。
「だって。
私、男の人が泣いたりする所なんて見たことないし。
男の人でも泣いたりすることあるのかなぁって。
上田先生に聞いても
はぐらかされるし。」
「って、お前、上ちゃんにも聞いたのかよっ」
「だって、お父さんには聞けないし。
身近な人て先生か理久
ぐらいしかいないもん」
「……。」